学習塾ミチビキ

【スタッフのつぶやき vol.39】「わかっている」ことを、「行動にできる」こと②

 

こんにちは!Michibikiゼミの渡辺です。

晴れた日が続いていて気持ちの良い朝ですね。

 

この「心の理解」についてをテーマとした記事では、「こんな時、この子をどうしたら良いか」のその前に、

こんな時、この子の中では何が起こっているのか」という、人間理解の基本的な知識に基づいた情報共有をしていきます。

 

「こうすれば...」というハウツー知識はもちろん役に立ちます。

しかし、その方法が、その子に合っているかどうかは、その子の中で何が起こっているかによって違うはず。

 

心についての基本的な知識を持っていることが、たった一人の「その子」と関わりを築いていく、ふとしたヒントになるかもしれません。

 

前回までの記事▶︎

michibiki.hatenablog.jp

 

 

それでは、実行機能の働きのうち、残りの二つについても見ていきましょう。



日常の行動と、実行機能

③更新

「更新」は、認知の柔軟性を助けます。

この更新が働くことで、情報をアップデートし、頭の中の“古い情報”を後ろに置区ことができます。

そうすることで、新しい情報やルールで考え直し、行動を調整することに繋げます。

 

【機能のプロセス】

・以前のルールや考え方を、いったん脇へ置く

・新しい情報を整理し直す

・その情報をもとに行動や判断を組み立て直す

 

【具体的な場面】例えば...

「遊びの途中で、先生が“ルールを少し変える”と説明した時。

聞けば内容は理解できるし、質問にも答えられる。

でも、実際に動き出すと“前のルール”でやってしまう。

 

【目にみえる様子】

状況が変わっても、前のやり方を続けてしまう

話は理解しているのに、行動が一致しない

ルール変更や条件変更の場面で“ズレ”が出やすい



【ポイント】

頭の中で、古いルールから新しいルールへ置き換えるのに時間が必要で、思考が前のまま残りやすい。

・更新は「情報の書き換え」自体が負荷の高い作業。
・“理解しているのに行動がついてこない”ように見える。

 →原因は「古い情報の残りやすさ」。

・周囲の認識としては誤解されやすく、実際には情報処理の段階での負荷が背景にある。



これは、頭の中の情報を新しい情報に書き換えたり、柔軟に考え方を変える力です。

新しいルールや状況が出てきたとき、情報を入れ替えて判断や行動を変えられる能力に関わります。

 

特に、小さなお子さんや発達の凹凸が大きいお子さんの場合、あるルールから別のルールに切り替えた際に、以前のやり方にこだわってしまい、状況に応じた行動がしにくいことがあると言われています。

 

これは後に出てくる「切り替え」とも似ていますが、更新は頭の中の情報や考え方を切り替える心の内側の柔軟性と言えるかもしれません。

④切り替え(シフティング)

切り替え(シフティング)」が機能することで、行動や作業の手順を変え、「注意の向け先」を変更することができます。

 

【機能のプロセス】

・いまやっている行動の中断

・次にすべき行動に注意を向け直す

・行動(作業・方向性)が切り替わる

 

【具体的な場面】例えば...

「休み時間が終わった周囲では席について次の授業の準備をしている。

休み時間が終わったことは理解しているし、授業が始まることも頭ではわかっている。でも、それまでしていたことを変えるのに時間がかかる。」


「気持ちが前のことに残っていて、新しいことの『動き出し』に迷っている。」

 

【目にみえる様子】

・作業を終えて次に移るのに時間がかかる

・呼ばれても反応が遅い

・流れが変わると固まる/フリーズする

・気持ちが前の作業に残っていて、動き出しに迷う

 

【ポイント】

・「切り替える」ためには、前の行動から注意を離すエネルギーが必要。
・負荷が高いと、「ゆっくり」「戸惑っている」「固まっている」ように見える。
・周囲には「言われていることをわかっていない」ように見えやすいが、実際は“行動の転換”の部分が難しい。

 

 

「切り替え」は、行動の手順や作業を変更し、注意の向け先を変更する機能です。

ある次元から別の次元へ、「思考」や「反応」を切り替え、ルールの変更に対応する力などがわかりやすい例です。

 

実行機能がまだ発達段階にある場合、行動の途中で迷ったり、気持ちや状況に流されやすくなることもあります。

 

「更新」の機能と似ていますが、切り替え(シフティング)は、実際の行動や注意の向け先を変える「外側の行動の柔軟性」と考えると良さそうです。

 

更新は「頭の中で考え方を入れ替える」、切り替えは「体や行動を切り替える」イメージですね。

 

「なぜかできない」がなぜ起こるか

ここまで、実行機能の働きから、脳機能の働きがスムーズに動くことで私たちは

・目標に向かって行動を続ける

・注意を切り替える

・気持ちや情報の変化に合わせて柔軟に対応する

・状況に応じて行動を調整する

 

といったことができるようになっていることが何となくわかってきたのではないでしょうか。

 

一方で、実行機能がまだ発達途中の場合、

「頭ではわかるのに行動がついてこない」
「気持ちや流れに左右されやすい」

といったことが起こりやすくなります。

 

そういった機能の働きのありようによって、「わかっている」ことと、「わかっていて行動にうつせる」こととの間で、差・解離が生じます。

それが目にみえる様子として、「どうしてか、できない」というように現れてくるのだと考えられます。

 

「機能」を理解することが、ふと関わりのヒントになる

これまで見てきたような、「目に見える様子」と、「心の理解」という情報を合わせてお子さんを見ていくことは、その子にとって必要な声かけや環境を整えることにもつながっていきます。

 

日常の場面を

①目に見える行動

②背後にある心の動き

③その奥の脳の働き

といった三層で捉えていくと、

例えば、

「この子は、考えはわかっているけれど、実行に移すのが難しいのかもしれない」

「この状況で迷うのは、「情報の切り替え」や「判断するためのエネルギー」が必要だからかもしれない」

といったように見立てることができるようになります。

そうすれば、


・責める前に、どこに「負荷」がかかっているのか
・何を補えば、行動が楽になるのか

を判断しやすくなり、適切な声かけや環境調整にもつながっていきます。

 

心の理解を大切に、一人ひとりにあわせた勉強


Michibikiゼミが掲げる「心の理解」も、そうした「目に見えない」背景のことを推察し考え、見立てることで、生徒さんの一人一人に合わせた関わり方を築いていく取り組みです。

 

世界がどう見えているか、何かをするときの方法、実は誰でも少しずつ違っています。

誰にでも、その人だけの見え方、やりやすい方法があるはずです。

それを見つけていく「学習」をMichibikiゼミは支えていきます。

 

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

 


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無理して学校に行かせたくない。将来の選択肢をまもってあげたい。

 

どちらも、おなじくらい大事だと思うから。

 

Michibikiゼミは、自立支援と進学支援のハイブリット型学習塾。

 

特性を持つ子どもたちのことを深く理解し、ペースも、教材も、学ぶ順序も、一人ひとりに合わせた学びを提供します。

 

授業についていけなくても、学校のルールがまもれなくても、じぶんに合った学び方さえできれば、勉強はできるようになる。可能性は広げられる。

 

わたしたちは、そう信じています。

 

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