
この記事では、お子さんの「行動」や「反応」、「学習」などの様子に関する
「なぜ?」「どうして?」について、
「人間の心の理解」という観点から、機能や仕組みの基本的な知識に基づいた情報を発信していきます。
目に見えない「心」について知ることは、
「この子の中で、何が起こっているのか」
「この子の世界には何が見えているのか」
について考える土台を持つことにもつながります。
そしてその土台から、たった一人の「その子」と関わりを築いていく、ふとしたヒントが生まれてくるかもしれません。
こんにちは!Michibikiゼミの渡辺です!
新年が明けて早1週間余りが過ぎましたね。
休みが明け、少しずつ仕事や勉強に向かいはじめている方も多いでしょうか。
1年の始まりだからこそ、肩の力を抜いて、自分の心と体と向き合いながら、焦らず一つずつ進んでいきましょう。
この「心の理解」のシリーズは本年より週2回ずつの更新を目指していきます⛰️
目に見えない「心」について、知識と理解を鍵に紐解けるきっかけを、あるいは、たとえ親子であってもわからない「他者」について想像するヒントを、この記事を通してお届けしていけるよう筆者も日々学びつつ邁進してまいります。
皆様、本年も何卒よろしくお願いいたします☀️
さて、前回の記事では、私たちがさまざまな意思決定や行動を調整する時に働いている「実行機能」を活性化させる方法を考える上で、
まず始めに「頭の中の作業台」とも呼ばれる「ワーキングメモリ」の「仕組み」と「働きの要素」について見てきました。
前回の記事▶︎
図解でもおさらいしてみましょう🔍


これからお届けるす記事では、実行機能の中の「ワーキングメモリ」の中にもそれぞれの働きの要素があり、それらの力を分けて見ていくことで、どのような遊びや作業を通して、それらの力を積極的に使うことができるのかを考えていきます🌱
前回の記事では、
言語性ワーキングメモリの「音韻ループ」
という機能と、
視空間性の「視空間スケッチパッド」
という機能があることをはじめに確認しましたね。
簡単に言えば、「聞いたことを覚えておく」機能と、「見たものを覚えておく」機能だと言えます。
それらを活用することで、、次の行動や計画に活かせることが、意思に関わる働きのまとまりである「実行機能」が十分に連携し働いている状態だと言えます。

それではまず、言語性ワーキングメモリの「音韻ループ」という機能から考えていきましょう。
音韻ループは、言葉や音を聞いて自分の中で一時的に保持したり、文字の情報を心の中で音声化し、リハーサル(復唱)することで、記憶を維持したりする役割を持ちます。
英単語を覚える、リスニングをするといった勉強の場面でも使う機能ですね。
この音韻ループの機能は、「聞いた音の情報」を保持しながら、それを「頭の中で操作(順序の並べ替えや再生)」する働きをします。
それを踏まえると、この働きは、耳で一度受け取った情報を保存しながら、能動的に頭の中で「反復する」作業を通して、活性化されていると考えられないでしょうか。
ごく単純に考えてみましょう。
数字の暗記・復唱で 「3・8・2・5・7」など、無意味な数字の羅列を覚えて復唱する、
電話番号を覚える、住所の番地を覚えるといったことも、
言語性の記憶や音韻ループの機能が働くことによってできるようになります。
それらのことを踏まえて、この言語性の音韻ループを使った遊びについて考えてみましょう🔍
音韻ループを使った遊び・作業 ー聞いたことを覚えておいて、必要な時に取り出して使うー
例えば、しりとりは、皆さんも遊んだ経験があるのではないでしょうか。
道具がなくてもいつでもどこでもできる遊びですね。
しりとりでは、前の言葉を覚えて(言葉や音韻の一時保存をして)おきながら、次の言葉を考える(知っている言葉を思い出す。)ということを頭の中で行なっています。
身近で簡単な遊びでも、実は高度に発達した人間の脳の働きが使われているからこそ成り立つのです。
他に、読まれた言葉を覚えておいて、当てはまるものを探すということをするカルタ遊びでは、「聞く力」「集中する力」「探す力」を駆使します。
これもまさに「音韻ループ」というワーキングメモリの要素を活用する遊びだと言えそうです。
あるいは、神経衰弱で遊ぶときに、「言葉」や「ひらがなカード」を取り入れ、同じ言葉を照らし合わせるルールで遊べば、「言語性の一時的な記憶」を活性化しながら遊ぶこともできそうです。
大人が一方的にしてあげられる活動の中では、絵本の読み聞かせや朗読を通して、頭の中で言葉を保存する力を育むことができます📖
読んでいる途中で区切り
「何が出てきた?」
「このあとどうなると思う?」
「今の所についてどう思う?」
と聞いてみるといったことも、一時的な言語情報を自分の中で反復し、確かめながら頭を働かせる練習になります。
これは、渡辺が国語の指導をするときにもよく行う方法です📝
また、歌を覚えて歌うといったことも、よく考えてみれば、「過去の記憶」から「音」や「言語」を引き出し、今聞こえる音楽に「合わせて歌う」ということの、総合的な作業です。
そうして考えると、歌や音楽という楽しい娯楽も、実は様々な「認知の機能」や「記憶の機能」、「運動の機能」を総動員する行動だと言えますね。
習い事で楽器や音楽に取り組む方も多いかもしれません。
発達過程にあるお子さんにとって、認知や記憶や運動の機能を総動員し活性化させる上で、とても肯定的な経験であると言えるかもしれません🎹
また、伝言ゲームなどもまさに「言語情報の一時的な保存」の作業です。
聞いたことを覚えて、次の人に伝達するために、脳は「言語の保存」と「再生」を行う必要がありますね。
他にも、逆さ言葉などの言葉遊びも、言葉を司どる頭の運動になります。
たとえば、どんな言葉でも良いのでですが、逆さ言葉遊びでは、「さかさまことば」→「ばとこまさかさ」というように、頭の中で覚えた言葉を操作し、別の形にするという作業が行われています。
筆者が子どもの頃に通っていた学童の先生も、そうした言葉遊びをよく教えてくれて、それが楽しかったことをふと思い出しました。
それに何の意味があるのかと、子どもの頃は面白おかしく思えた逆さ言葉、大人になると不思議に思えるかもしれません。
けれど、そうした「不思議な子どもの遊び」も、成長過程にある頭の良い運動になっているのかもしれませんね🌱
頭の中の「聞いて覚える」そして「覚えた言葉の情報を保存して使う」という音韻ループの機能を知ることで、それを積極的に使った遊びや活動、作業について考えてきました。
身近で何気ない遊びや活動の中でも、実は、「一度聞いた情報」や「今ある言語の情報」を、頭の中に保存しながら、それとは別の作業を頭の中で行い、そして保存しておいた情報を必要な時に取り出すという「言語性ワーキングメモリ」のたくさん使っています。
何気ないことの中で身につけたことが、実は学習や、より高度な作業の練習にもなっていきます。
「子どもの遊び」には、そうした心の発達を支える、大切な役割があると言えそうです。
もちろん、これらのことを、筋トレのように無理して長くやる必要はありません。
「生きる」「学ぶ」を支える力が育つ土壌を耕すような気持ちで、短く・楽しく・日常の中で繰り返すことで、「聞いたことを覚えておく力」を使い、活性化させ、心の育ちをサポートすることができます。
大切なのは、正しくできることよりも、「頭を使う経験」を自然に、楽しく重ねることです。
皆様の中でも思い浮かぶアイディアがあったでしょうか。
ぜひ感想、コメントでお寄せください!🌟
次回
今回の記事では、ワーキングメモリの中の言語性の機能である「音韻ループ」と、それを使って活性化するような遊びや作業について考えました。
次の記事では、視空間性のワーキングメモリである「視空間性スケッチブック」の働き、それを使った遊びや作業についても考えてみましょう📝

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!
次回の記事でまたお会いしましょう🌿
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無理して学校に行かせたくない。将来の選択肢をまもってあげたい。
どちらも、おなじくらい大事だと思うから。
Michibikiゼミは、自立支援と進学支援のハイブリット型学習塾。
特性を持つ子どもたちのことを深く理解し、ペースも、教材も、学ぶ順序も、一人ひとりに合わせた学びを提供します。
授業についていけなくても、学校のルールがまもれなくても、じぶんに合った学び方さえできれば、勉強はできるようになる。可能性は広げられる。
わたしたちは、そう信じています。
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