学習塾ミチビキ

【スタッフのつぶやきvol.48 】見て覚える ー〈シリーズ〉頭の中の監督役 ’’実行機能’’ を育むー



 

この記事では、お子さんの「行動」や「反応」、「学習」などの様子に関する

「なぜ?」「どうして?」について、
人間の心の理解」という観点から、機能や仕組みの基本的な知識に基づいた情報を発信していきます。

目に見えない「心」について知ることは、

この子の中で、何が起こっているのか

この子の世界には何が見えているのか

について考える土台を持つことにもつながります。

そしてその土台から、たった一人の「その子」と関わりを築いていく、ふとしたヒントが生まれてくるかもしれません。

 


 

こんにちは!Michibikiゼミの渡辺です。

1月も半ば、あっという間ですね。皆様、いかがお過ごしでしょうか?

冬休みやお正月休みを経て、日常のペースを取り戻しつつある頃かもしれないですね。

 

さて前回の記事では、「実行機能」の働きの一つである「ワーキングメモリ」の要素である、「言語性ワーキングメモリ」の「音韻ループ」の機能から、

身近な遊びや作業を通して、このワーキングメモリを積極的に使う方法について考えました。

 

前回記事▶︎

michibiki.hatenablog.jp

 

 

 

今回の記事では、ワーキングメモリの視空間性の機能である、

視空間スケッチパッド」という機能から、

日常の中で「見て覚える」働きを活性化する方法を考えていきます🔍

 

 

視空間スケッチパッドを育てる遊び・作業―「見たもの」を頭の中に置きながら使う―

 

視空間スケッチパッドは、頭(心)の中で、形・位置関係・順番など、目で見た情報を一時的に頭の中に置いておく働きを担っていると考えられています。

例えば、黒板を書き写す、図を見て理解する、といった場面で使われています。

心の中の目」とも言えるかもしれません。

 

視覚的・空間的な力である視空間性の機能は、

①頭の中にある「イメージ」を保存して、

②視覚的な手がかりがなくなった状態で、

③さらにそれを頭の中で動かし、回転させたり移動させたりする「操作」を加えることで、

 機能が活性化されると考えられます。

 

テトリス」などはそうした機能を使った典型的な遊びですね。

(画像出典:Tetris」の写真素材 | 8,314件の無料イラスト画像 | Adobe Stock

 

他にも、

パズル
 全体の形を「イメージ」しながら(お手本を参照することで)、ピースを当てはめていく

積み木・ブロック遊び
 完成形を思い浮かべつつ、配置や順番を考えていく

折り紙
 お手本を見ながら、どうすればその通りになるか、「今見ている形」と、「作業した後の形」を頭の中でつなぐ

間違い探し
 イラストや図で見た像(イメージ)を覚え、参照することで違う箇所を見つけ出す

 

 遊びもとても身近ではないでしょうか。こうした作業が実は、

「見た情報」を一度作業台に置いて、

 別の判断をしながら使い続ける

という、「視空間性機能を使う練習」にもつながります。

 

また、

 迷路

 ナンプレ数独

 見本を見て絵を描く

 地図や案内図を見ながら移動する

といった作業も、日常的にできて、視空間スケッチパッドを自然に使う活動ですね。

 

迷路を解く、数独の解答、絵を描く、地図を読むといったことを何度か繰り返し行っているうちに、はじめよりも早くできたり、上手にできるようになるのを感じたことはないでしょうか?

 

それは経験や学習によって、視空間性のワーキングメモリが鍛えられているからなのですね。

 

これらのことから考えてみると、学習の中で基本的に行う、

・算数の展開図を見て「組み立てたらどうなるか」を想像する力

・漢字の「へん」と「つくり」を認識したり、書字のバランスを整えてノートを取る力も、

この機能に支えられていると考えられますね。

 

例に挙げた遊びや作業は、学習を進めていく時に使う、「脳の力の基礎」の準備運動とも言えるかもしれません🏃

 

もしお子さんが板書や図形問題を苦手にしていたら、ドリルに取り組むといった直接的なことだけではなく、こうした「視覚的な遊び」を取り入れることで、

肩の力を抜いて、楽しみながら、「見る力・イメージを操作する力」を使うことに少しずつ慣れていくのも良いかもしれません。


次回

 

一つ前の記事と今回の記事を通して、ワーキングメモリのなかの、

聞いて覚える「言語性」の機能と、

見て覚える「視空間性」の機能とに分けて、

それらの機能を使った遊びや作業について見てきました。

 



 

次の記事では、ワーキングメモリの残りの機能の一つ、「エピソードバッファ」を活性化する作業についても考えていきます📝

 

「エピソードバッファ」とは、過去の経験の記憶と今の記憶を結びつける機能を担います。

そして、ここまで見た、「聞いて覚える」、「見て覚える」、次に「過去の経験を思い出す」といった機能をまとめて調整する「中央実行系」の機能についても最後に見ていきます。

 

「見て、覚えて、操作する」遊びについて、みなさんいかがだったでしょうか?

身近な遊びでもしアイディアがあれば、ぜひ感想でお寄せください!

 

それでは、また次回お会いしましょう🌿

ここまでお読みいただきありがとうございます!


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無理して学校に行かせたくない。将来の選択肢をまもってあげたい。

 

どちらも、おなじくらい大事だと思うから。

 

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授業についていけなくても、学校のルールがまもれなくても、じぶんに合った学び方さえできれば、勉強はできるようになる。可能性は広げられる。

 

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【スタッフのつぶやき vol.47】点数にはまだ表れない「成長の予兆」〜授業で感じる「間違え方」の変化について〜

 

こんにちは。Michibikiスタッフの宮尾です。

成績が伸びる前には、必ず『予兆』があります。今回は、私が日々の授業を通して感じている、生徒たちの成長のサインについて書きたいと思います。

 

テストが返却されたり、模試の結果が出たりすると、どうしても「点数」や「○か×か」という結果に目が向いてしまうものです。

それは当然のことですし、悔しい、嬉しいという感情は次のエネルギーになります。

 

ただ、日々授業をして生徒たちの様子を間近で見ていると、点数という数字に表れるよりも少し前に、確かな「成長の予兆」を感じる瞬間があります。

 

それは、生徒たちの「間違え方」の質が変わった瞬間です。

今回は、私が授業中に「お、伸びてきたな」と密かに手応えを感じている、3つの変化ついて書きたいと思います。

 

  1. 「わかりません」の解像度が上がる

勉強に苦手意識がある段階では、問題が解けないと「全部わかりません」「教えてください」と、思考を止めてしまうケースが少なくありません。

しかし、力がついてくると、質問の言葉が変わってきます。

「この2行目までは分かったのですが、ここから先の変形の仕方がわかりません」

このように言えるようになるのは、ただ諦めているのではなく、「自分がどこでつまずいているか」を分析できている証拠です。

「わからない」という言葉の解像度が上がった質問を聞くと、思考が整理され始めたのだなと嬉しくなります。

 

  1. ノートに「戦った跡」が残る

以前なら白紙で出していたような応用問題でも、間違ってはいるけれど、自分なりの式や図がびっしりと書かれるようになることがあります。

たとえ答えが「×(バツ)」だったとしても、そこには「正解しようとした痕跡」が残っています。

考え方や方針は合っているのに、最後の計算でミスをして悔しがる姿。

そうした「痕跡」のあるノートを見るたび、「考え方のルートは合っているから、次は絶対に解ける」と確信します。

綺麗な白紙よりも、戦った跡のある「間違えたノート」のほうが、数倍価値があるのです。

 

  1. 「納得」を求める姿勢

これが一番大きな変化かもしれません。

解説をした際、「あ、答えは5か。ふーん」で終わらせず、「なんでその式になるんですか?」「どうしてその解き方じゃなきゃダメなんですか?」と食い下がってくるようになること。

単なる「暗記」で乗り切るのではなく、「理屈」で納得しようとする姿勢の表れです。

講師に対して「なぜ?」をぶつけてくるのは、生徒自身の思考が深まっている何よりの証拠だと言えます。

 

 

こうした変化は、すぐにはテストの点数という「結果」に直結しないこともあります。

「わかっているはずなのに、点数が伸びない」という、もどかしい時期かもしれません。

ですが、プロセス(思考の過程)は確実に成長しています。

「間違え方」の質が上がれば、必ず結果は後からついてくるものです。

私たち講師の役割は、テストの点数だけでなく、その裏側にある生徒たちの「試行錯誤」を見逃さず、次に向けた後押しをすることだと考えています。

これからも、「良い間違い」を歓迎していきたいと思います。

 

では、こうした「成長の予兆」はどうすれば生まれるのでしょうか?

私は、ただ変化を待つのではなく、授業の中にいくつかの「仕掛け」を用意しています。

次回の記事では、生徒たちが失敗を恐れずに思考できるようになるための、具体的な指導アプローチについてお話しします。 

 

 

 

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【スタッフのつぶやき vol.46】 聞いて覚える ー〈シリーズ〉日常の中で「実行機能(ワーキングメモリ)」を育むー





この記事では、お子さんの「行動」や「反応」、「学習」などの様子に関する

「なぜ?」「どうして?」について、
人間の心の理解」という観点から、機能や仕組みの基本的な知識に基づいた情報を発信していきます。

目に見えない「心」について知ることは、

この子の中で、何が起こっているのか

この子の世界には何が見えているのか

について考える土台を持つことにもつながります。

そしてその土台から、たった一人の「その子」と関わりを築いていく、ふとしたヒントが生まれてくるかもしれません。

 


 

こんにちは!Michibikiゼミの渡辺です!

新年が明けて早1週間余りが過ぎましたね。

 

休みが明け、少しずつ仕事や勉強に向かいはじめている方も多いでしょうか。

1年の始まりだからこそ、肩の力を抜いて、自分の心と体と向き合いながら、焦らず一つずつ進んでいきましょう。

 

この「心の理解」のシリーズは本年より週2回ずつの更新を目指していきます⛰️

 

目に見えない「心」について、知識と理解を鍵に紐解けるきっかけを、あるいは、たとえ親子であってもわからない「他者」について想像するヒントを、この記事を通してお届けしていけるよう筆者も日々学びつつ邁進してまいります。

 

皆様、本年も何卒よろしくお願いいたします☀️

 


 

さて、前回の記事では、私たちがさまざまな意思決定や行動を調整する時に働いている「実行機能」を活性化させる方法を考える上で、

まず始めに「頭の中の作業台」とも呼ばれるワーキングメモリ」の「仕組み」と「働きの要素」について見てきました。

 

 

前回の記事▶︎

michibiki.hatenablog.jp

 

図解でもおさらいしてみましょう🔍

 

 



 

これからお届けるす記事では、実行機能の中の「ワーキングメモリ」の中にもそれぞれの働きの要素があり、それらの力を分けて見ていくことで、どのような遊びや作業を通して、それらの力を積極的に使うことができるのかを考えていきます🌱

 

前回の記事では、

言語性ワーキングメモリの「音韻ループ

という機能と、

視空間性の「視空間スケッチパッド

という機能があることをはじめに確認しましたね。

簡単に言えば、「聞いたことを覚えておく」機能と、「見たものを覚えておく」機能だと言えます。

それらを活用することで、、次の行動や計画に活かせることが、意思に関わる働きのまとまりである「実行機能」が十分に連携し働いている状態だと言えます。



それではまず、言語性ワーキングメモリの「音韻ループ」という機能から考えていきましょう。

音韻ループは、言葉や音を聞いて自分の中で一時的に保持したり、文字の情報を心の中で音声化し、リハーサル(復唱)することで、記憶を維持したりする役割を持ちます

 

英単語を覚えるリスニングをするといった勉強の場面でも使う機能ですね。

 

この音韻ループの機能は、「聞いた音の情報」を保持しながら、それを「頭の中で操作(順序の並べ替えや再生)」する働きをします。

それを踏まえると、この働きは、耳で一度受け取った情報を保存しながら、能動的に頭の中で「反復する」作業を通して、活性化されていると考えられないでしょうか。

 

ごく単純に考えてみましょう。

数字の暗記・復唱で 「3・8・2・5・7」など、無意味な数字の羅列を覚えて復唱する、

電話番号を覚える、住所の番地を覚えるといったことも、

言語性の記憶や音韻ループの機能が働くことによってできるようになります。

 

それらのことを踏まえて、この言語性の音韻ループを使った遊びについて考えてみましょう🔍

 

 

音韻ループを使った遊び・作業 ー聞いたことを覚えておいて、必要な時に取り出して使うー

 

例えば、しりとり、皆さんも遊んだ経験があるのではないでしょうか。

道具がなくてもいつでもどこでもできる遊びですね。

 

しりとりでは、前の言葉を覚えて(言葉や音韻の一時保存をして)おきながら、次の言葉を考える(知っている言葉を思い出す。)ということを頭の中で行なっています。

身近で簡単な遊びでも、実は高度に発達した人間の脳の働きが使われているからこそ成り立つのです。

 

他に、読まれた言葉を覚えておいて、当てはまるものを探すということをするカルタ遊びは、「聞く力」「集中する力」「探す力」を駆使します。

 

これもまさに「音韻ループ」というワーキングメモリの要素を活用する遊びだと言えそうです。

 

あるいは、神経衰弱で遊ぶときに、「言葉」や「ひらがなカード」を取り入れ、同じ言葉を照らし合わせるルールで遊べば、「言語性の一時的な記憶」を活性化しながら遊ぶこともできそうです。

 

大人が一方的にしてあげられる活動の中では、絵本の読み聞かせや朗読を通して、頭の中で言葉を保存する力を育むことができます📖

読んでいる途中で区切り

「何が出てきた?」

「このあとどうなると思う?」

「今の所についてどう思う?」

 

と聞いてみるといったことも、一時的な言語情報を自分の中で反復し、確かめながら頭を働かせる練習になります。

これは、渡辺が国語の指導をするときにもよく行う方法です📝

 

また、歌を覚えて歌うといったことも、よく考えてみれば、「過去の記憶」から「音」や「言語」を引き出し、今聞こえる音楽に「合わせて歌う」ということの、総合的な作業です。

 

そうして考えると、歌や音楽という楽しい娯楽も、実は様々な「認知の機能」や「記憶の機能」、「運動の機能」を総動員する行動だと言えますね。

 

習い事で楽器や音楽に取り組む方も多いかもしれません。

発達過程にあるお子さんにとって、認知や記憶や運動の機能を総動員し活性化させる上で、とても肯定的な経験であると言えるかもしれません🎹

 

また、伝言ゲームなどもまさに「言語情報の一時的な保存」の作業です。

聞いたことを覚えて、次の人に伝達するために、脳は「言語の保存」と「再生」を行う必要がありますね。

 

他にも、逆さ言葉などの言葉遊びも、言葉を司どる頭の運動になります。

たとえば、どんな言葉でも良いのでですが、逆さ言葉遊びでは、「さかさまことば」→「ばとこまさかさ」というように、頭の中で覚えた言葉を操作し別の形にするという作業が行われています。

 

筆者が子どもの頃に通っていた学童の先生も、そうした言葉遊びをよく教えてくれて、それが楽しかったことをふと思い出しました。

それに何の意味があるのかと、子どもの頃は面白おかしく思えた逆さ言葉、大人になると不思議に思えるかもしれません。

けれど、そうした「不思議な子どもの遊び」も、成長過程にある頭の良い運動になっているのかもしれませんね🌱

 

 


 

頭の中の「聞いて覚える」そして「覚えた言葉の情報を保存して使う」という音韻ループの機能を知ることで、それを積極的に使った遊びや活動、作業について考えてきました。

 

身近で何気ない遊びや活動の中でも、実は、「一度聞いた情報」や「今ある言語の情報」を、頭の中に保存しながら、それとは別の作業を頭の中で行い、そして保存しておいた情報を必要な時に取り出すという「言語性ワーキングメモリ」のたくさん使っています。

 

何気ないことの中で身につけたことが、実は学習や、より高度な作業の練習にもなっていきます。

「子どもの遊び」には、そうした心の発達を支える、大切な役割があると言えそうです。

 

もちろん、これらのことを、筋トレのように無理して長くやる必要はありません。

「生きる」「学ぶ」を支える力が育つ土壌を耕すような気持ちで、短く・楽しく・日常の中で繰り返すことで、「聞いたことを覚えておく力」を使い、活性化させ、心の育ちをサポートすることができます。

 

大切なのは、正しくできることよりも、「頭を使う経験」を自然に、楽しく重ねることです。

 

皆様の中でも思い浮かぶアイディアがあったでしょうか。

ぜひ感想、コメントでお寄せください!🌟

 

 

次回

 

今回の記事では、ワーキングメモリの中の言語性の機能である「音韻ループ」と、それを使って活性化するような遊びや作業について考えました。

次の記事では、視空間性のワーキングメモリである「視空間性スケッチブック」の働き、それを使った遊びや作業についても考えてみましょう📝

 

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!

次回の記事でまたお会いしましょう🌿

 


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【スタッフのつぶやき vol.45】「ワーキングメモリ」を使った遊びや作業 ー日常の中で「実行機能」を育むー

 




 

この記事では、お子さんの「行動」や「反応」、「学習」などの様子に関する

「なぜ?」「どうして?」について、
人間の心の理解」という観点から、機能や仕組みの基本的な知識に基づいた情報を発信していきます。

目に見えない「心」について知ることは、

この子の中で、何が起こっているのか

この子の世界には何が見えているのか

について考える土台を持つことにもつながります。

そしてその土台から、たった一人の「その子」と関わりを築いていく、ふとしたヒントが生まれてくるかもしれません。

 


 皆さま、明けましておめでとうございます。

 

Michibikiゼミの渡辺です!

昨年は大変お世話になりました。

新年、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 

昨年までの記事の中で、頭の中の前頭連合野で働く「実行機能」という機能について、脳の働きの「仕組み」と、それがうまく働かなくなる原因となる「背景にある理由」について、「心」や「体」や「環境」から考えられる、様々な可能性について見てきました。

 

 

 

 

 

様々な機能が組み合わさって動いている「実行機能」は、あらゆる状況や環境に影響を受けるだけではなく、人によってどのように動いているかも少しずつ違っています。

 

例えば、私の場合は「書く」という作業が、どんなことを覚えるのにも、実行するのにも不可欠なタイプです。

「聞く」ことで何かを覚えたり、何かを実行するということは少し苦手です。

これは、もしかしたら実行機能の中で「視覚や作業の記憶」が得意だからなのかもしれませんね。

 

それでは、「実行機能」の得意・不得意というのは生まれつきで変わらないものでしょうか。

 

実は、小さい頃にしたような様々な遊びや、日々の何気ない作業の中にも、実行機能の働きを活用しているタスクがたくさんあります。

 

そうした遊びや作業の繰り返しは、実行機能を活性化させる練習にもなります。

例えば、好きなキャラクターの名前や本やゲームに出てきた呪文を覚えたりすることだって、新しいものの名前や言葉を覚える「言語の記憶」や「リスニング」の力とも関係します。
 
歩く、走る、自転車に乗る...など様々な運動を通して私たちの足腰が鍛えられ日々の力になっているように、「頭の中の働き」も、筋肉のように、様々な活動を通してトレーニングすることで、飛躍的な変化ではないとしても、小さな積み重ねがふと、課題の達成に必要な力を補うことにつながっていくかもしれません。

 

 

それでは、どんなことで実行機能の働きが育まれていくのか、これまでに見た

 

「ワーキングメモリ」

「抑制」

「更新」

「切り替え」

 

といった実行機能の働きから、それぞれの機能に役立つ「遊び」や「ワーク(作業)」について考えていきましょう。

 

仕組みを知ることで、それらがどのように「学習」や「仕事」といった総合的な働きを可能にするのか、

そのことをヒントに、それらを支える要素によってできる作業について、次回の記事から小さく分けて考えていきます。

 

この記事ではまず実行機能の要素が一体どんなものか、「ワーキングメモリ」からおさらいしましょう🔍

 

ワーキングメモリ ー頭の中の作業台を、広く使うー

ワーキングメモリは、「必要な情報を、少しのあいだ頭の中に置いて使う力」のようなものです。そうすると、一度置いた情報をまた必要な時に取り出して使うことができます。

 

ワーキングメモリがうまく働いていないと、

 

2つを聞いたら、1つは忘れてしまう

忘れ物が多い

複数の物事や指示の理解が難しい

読み書き(特に、ノート→教科書→ノートなど、往復すること)

話を聞いている途中で内容が抜けてしまう

やることが分からなくなり、動けなくなる

計算が遅い

集中力がない

 

などといった様子が見えやすくなります。

 

これは聞いていなかったり、怠けているとは一概に言えず、頭の中の作業台が、いっぱいになってしまいやすいことの表れであるとも考えられます。

 

作業する机が小さければ、そんな作業もだんだんと混乱し、うまく進まなくなっていってしまいますね。

 

ワーキングメモリは、生まれ持った特性もありますが、
日常の遊びや関わりの中で、少しずつ使うことに慣れていくことができるとも考えられます。

 

これまでの記事では、「実行機能」の一部であるワーキングメモリが、

「どのような機能を担い」、それがうまく働かないと、

表面的にどのような「様子」が見えるのか、

ということについてを中心に考えてきました。

 

それでは、「ワーキングメモリ」自体は、どのような「仕組み」と「要素」で機能しているのでしょうか。

 

 

ワーキングメモリは、

 

・音韻ループ(言語性)

・視空間スケッチパッド(視空間性)

・エピソーディックバッファ(長期記憶)

・中央実行系

 

という要素から成り立っていると考えられています。

 




まず、言語性ワーキングメモリの「音韻ループ」という機能と、

視空間性の「視空間スケッチパッド」という機能についてみていきましょう。

 

これは、「『聞いたこと』を作業台に置いておくこと」と、

「『見たもの』を作業台に置いておくこと」と言い換えられます。

 

ここでピンと来る方もいるでしょうか。

 

学校の授業で、「板書」をしたり、「指示に従って動く」といったことには、この「ワーキングメモリ」の働きが必要になります。

 

 

次の記事から、まずはこの「音韻ループと」「視空間性スケッチブック」の働きに注目して、どんな遊びや作業が役に立つのかを見て考えていきます。

 

実は、私たちは小さい頃から身近にある遊びの中で、これらの機能をたくさん使っています。

それぞれが担っている機能を確認し、それらを踏まえ、どのような行動の中で、「ワーキングメモリ」の機能が使われているのかを考えてみましょう!

 

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

 


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【スタッフのつぶやき vol.44】「動けない」のは、性格? それとも意志や心の問題?⑤

 

この「心の理解」についてのテーマ記事では、

「こんな時、この子をどうしたら良いか」のその前に、

こんな時、この子の中では何が起こっているのか」という、

人間理解の基本的な知識に基づいた情報共有をしています。

 

「こうすれば...」というハウツー知識はもちろん役に立ちます。

しかし、その方法が、その子に合っているかどうかは、その子の中で何が起こっているかによって違うはず。

 

心についての基本的な知識を持っていることが、たった一人の「その子」と関わりを築いていく、ふとしたヒントになるかもしれません。

 

前回の振り返り

こんにちは!Michibikiゼミの渡辺です。

 

前回までの記事では、「心の内側で起こっていること」が、何か行動をすることの妨げになっている場合の、さまざまな可能性について見てきましたね。

ここから、そうした行動の実行に関わる、「神経基盤の特性」が背景にある場合について考えていきましょう。

 

前回までの記事▶︎

michibiki.hatenablog.jp

 

神経基盤の特性で、受け取る情報の「扱い方」に特徴がある場合

ここまで、行動を妨げるものについて、心の内側で起こっていることについて、

主に「経験」や「学習」、「ストレスや疲労」などの側面から見てきました。

 

次に、神経基盤の特性によって、「情報の扱い方の特徴」が、何かを実行することの妨げになっている場合について見ていきたいと思います。

 

これまでの記事の中で、実行機能の働きを担う「前頭連合野」には、

「ワーキングメモリ」や「抑制」、「更新」、「切り替え(シフティング)」などの機能があることを見てきましたね。

 

michibiki.hatenablog.jp

 

神経基盤の特性が関わる場合は、そうした、何かを実行するための機能が動く「回路」が特徴的であったり、必要な「コスト」が大きかったり、不足しているということもあります。

それはつまり、何かを行なったり考えるために必要な、(脳が同時に扱える)情報の容量や、情報を制御するために必要なコストが高いということになります。

それが、表面的に「やる気が出ない」「頑張れない」といった様子に見えたりします。

 

では、そうした場合に現れやすい、目にみえる様子について考えていきましょう。

 

情報が「一度に入る」とフリーズする

複数の指示、要素などを同時に手渡されると、頭の中の作業台、「ワーキングメモリ」が容量を超えてしまいます。

すると、処理の限界を超えてしまうので、思考や行動が止まることがあります。

 

例えば、

  ・何かを説明している途中でフリーズしたような様子になる

  ・最初の指示は覚えているが、後半が抜けている

  ・まず何から手をつけてよいかわからなくなる

 

こうした場合、大人の対応で工夫できることも比較的多くあります。

 

そんな時、

 ・指示は「一度に一つずつ」手渡すこと

 ・手順は、バラバラではなく順番に手渡すこと

 ・「見本」や「チェックリスト」などを作成し、情報や記憶を外部に預けられるツールを活用すること

 

など、これらのことは大人が作業する時にも処理の負担を減らせる工夫でもあります。

筆者自身も、ワーキングメモリの負担を減らす工夫として自分自身の作業の中でこうしたことを実践しています。

 

次に、抑制の機能にハードルがある場合についても考えて見ましょう。

 

注意が他のものに引きずられる

「抑制」の機能である、「必要のない刺激」を遮断することにかかるコストが大きいと

 

例えば、

 ・周囲の音や動きにすぐ注意が逸れる

 ・気になることがあると作業に戻れない

 ・思いついたことを止められない

といった様子が見えやすくなります。これらは、以前の記事の中で実行機能の働きについて詳しく説明した内容の中でも触れたことですね。

 

そんな時、

 ・物理的刺激を減らす(席・配置・視界など)

 ・作業の時間を短く区切る

 ・「ここまでできたら完了」など、小さく区切ったステップやマイルストーンを言葉にして見える化、意識化する

 ・「今はこれだけ」といったことを、言葉ではっきりと示す

 

といったことで、集中を持続し、「小さな」抑制の練習をしていくことができます。

 

また、この「反応の抑制」は筋肉のように、ちょっとした遊びや作業の中で鍛えることもできると言われています。

 

実行機能をトレーニングすることに繋がる遊びや作業人ついても、また別の記事でお届けしていこうと思います。

 

 行動の切り替えに時間がかかる

前頭前野の「切り替えの回路」にコストがかかると、行動や思考の転換にもそれなりに時間が必要になります。

 

例えば、

 ・一度始めたことをやめられない

 ・次の課題に移るときに固まってしまう

 ・突然の予定変更が起こると動けない

といった様子は、この切り替えにコストがかかっている可能性があります。

 

そんな時、

 ・事前の予告を入れること

 ・「終了」と「開始」の合図を明確にする

 ・ルーティンを固定する

といった、これまでにも見てきた「予測できる環境」を作ることが一つ有効な方法になります。

 

「神経基盤」が背景にある実行機能のハードル

何かの行動や課題を「実行できない」と、本人の意思や理解が不足しているとも見られてしまいやすいです。

しかし、神経基盤の特性が関係している場合、行為や課題を処理をするための「心の設計」とに対して、「課題の出し方」つまり情報提示の方法が合っていないという見方もできます。

 

ですから、ここまで見てきたように、大人は

 ・情報量を減らす、順番に提示する

 ・複数の事柄を同時に処理させない

 ・「切り替え」に必要な時間を想定する

 ・行動に必要な情報などを、メモなどの道具を活用し「外部化」する

 

といった、心の負荷を下げる条件設定を工夫することもできます。

 

どんな子にも、背景にある「理由」に合った「方法」を

 

ここまで見てきてどうでしたでしょうか。

 

長きに渡ってお届けしましたが、実際にお子さんの心の中で起こっていること、またそれぞれの持つ特徴は、さらに多様で個別のものです。

 

実際に関わり、見守る中でしか見えてこないこともたくさんあります。

それに、お子さんが「行動する」ということが難しい時、大人も焦ったり、つい苛立ってしまうこともあるかもしれません。

そんな時、「知識」や「例」を蓄えておくことは、そうしたときに一歩引いて、目の前のことと対処の間で一呼吸おくクッションのようなものとしても役立ちます。

 

焦らず、責めず、なるべく心を軽くして、前向きに課題をクリアしていくための栄養としての知識として「心について」の話をお届けすることができたら幸いです。

 

Michibikiゼミの学習サポートでは、そうした知識と経験に基づいて「前向きに」、その子にあった方法を一人一人と向き合いながら考えて参ります。

 

 

ここまで、心の「知識」や「理論」についての内容をお届けしてきました。

それは「実践できること」へのスタートダッシュのようなものとしても役に立ちます。

 

年始からは、ここまで見てきた「実行機能」を部分で見ながら、それらを使って活性化させる方法についての記事をお届けしていきます✉️

 

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!

 

またこの一年、皆さまお疲れ様です。

 

どうぞ、良いお年をお過ごしください。

 


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【スタッフのつぶやき vol.43】「動けない」のは、性格? それとも意志や心の問題?④

 

 

この「心の理解」についてのテーマ記事では、「こんな時、この子をどうしたら良いか」のその前に、

こんな時、この子の中では何が起こっているのか」という、人間理解の基本的な知識に基づいた情報共有をしています。

 

「こうすれば...」というハウツー知識はもちろん役に立ちます。

しかし、その方法が、その子に合っているかどうかは、その子の中で何が起こっているかによって違うはず。

 

心についての基本的な知識を持っていることが、たった一人の「その子」と関わりを築いていく、ふとしたヒントになるかもしれません。

 

 

前回までの振り返り

こんにちは!Michibikiゼミの渡辺です。

段々と2025年も終わりのカウントダウンが近づいてきましたね。

皆さま、冬休みの真っ只中でしょうか。


前回までの記事で、「何かをしたいのに、『することができない』理由」について、「心の内側の『不安や恐怖、愛着の問題』が影響している可能性」について見てきました。

 

前回までの記事▶︎

michibiki.hatenablog.jp

 

それでは続けて、「何かをすることができない」時、目に見えない心の内側で起こっていることについて考えられる可能性と、その時できることについて見ていきましょう。


これから見ていく内容の多くも、「経験」が不安感やストレス、不快な記憶と結びつくことで起こる事柄です。

その中でも、「心の機能」としての特徴的な状態について見ていきたいと思います。

 

過去の経験による、「学習性」のストップ

強い叱責、過剰な管理、失敗への強い罰などを経験した子は、「考える前に固まる」「どうせできない」「自分が何をしても無駄」といった反応が「自動」で起こるようになることがあります。

また、「予測できない、不条理な状況」が続くことも、そうした反応を引き起こします。

 

これも前回の記事で紹介した「学習性無力感」の一つと言えます。

 

そうすると、例えば...

 自信の低下によって、実行機能(意思を持った行動)が働く前にあきらめる

 何を選んでいいかわからない

 課題に向かう前から、疲労感が先にやってくる

 

といった状態が起こりやすくなります。

 

そんな時、

前回までの記事で挙げたような、「失敗しづらい条件」「予測可能な状況」「価値判断で評価されない(過程を意識する)」といったことも有効です。

その他にも、「自分が無力な感じ」が強い場合は次のようなことも、大人が関わりの中でできることです。

 

「選択の負担」を軽くすること

「自分が無力な感じ」が強い時は、「自分で決めていいよ」「どれにする?」という問いかけ自体も、強いプレッシャーとなってしまいやすいです。

それは過去の経験から「選んだ結果、失敗した」「選択を間違えて不快なことが起こった」

ということを学習することで、無力な感覚は強まるからです。

 

ですから、そんな時は

・最初は、大人が選択肢を一つに絞る。あるいは選択が必要な場面では、二択までに限定する

・「今日はこれを一緒にやろうね」と、決定を肩代わりする

といったことで、負担を減らすことができます。

 

それをずっと続けるわけではないのですが、もし、「自分が何かをすること」に、心の負荷が強まる経験が強く結びついているときは、「選ばなくていい」「間違えても責任を取らされることがない」という「安心」の経験をまずは回復させることが必要です。

 

 大人が「待つ」こと

「学習性」にストップが起きている時、「反応」すること自体も遅くなりやすいです。

その遅さや沈黙が、周囲からは「やる気がない」というふうにも見えてしまいやすいです。

しかしそこで急かされると、「ストップ」が強化されることもあります。

 

「早くしなさい」とつい言いたくなってしまうのですが、そんな時、大人にできる工夫についても考えてみましょう。

 

例えば、

・反応までの時間を長めに取る

・沈黙している時間をその子が「考えている時間」として見て扱う

・動けないときは介入しすぎない。そばにいて見守る

 

そうした大人の「待つ姿勢」が、「急かされない」「見捨てられない」という「安心感」を回復させる体験となり、「学習をストップさせる」体験を少しずつやわらげることにもつながるかもしれません。

 

こうした学習性のストップは体験から得る認知の“癖”でもあります。

ですから、新しい体験を通して、認知の癖を変えていけるという可能性があります。

 

 

情緒的エネルギーの不足(無気力・燃え尽き・慢性的な疲労

「感情的なエネルギー」も、実行機能が活動するためには必要です。

単純に「元気」がないと、どんなことをするのにも大変な感じがしてしまうということです。
これはやる気の問題ではなく、動き出すための「燃料」が不足している状態なので、補う必要があります。

こうした状態は、落ち込みや抑うつ状態にもつながる、心のSOS状態です。

 

例えば、

  ・興味や意欲が湧かない

  ・刺激に反応できない(反応が薄い)

  ・何をしても疲れる

  ・集中の持続が極端に短い

 

特にこれらのことが、「以前までと比べて」見られる場合は、まずは休養を優先しましょう。

 

そんな時、
 ・休息を“予定に組み込む”ことで、確実に休めるように設定すること
 ・「達成。完了感」のある小さなタスクをはじめに行う
 ・「何もしない時間」を回復に必要な時間として設ける

これは、「回復」をしなければ改善しない種類のものでもありますが、

 

これまでに見てきた、

 ・ストレスや環境などの“外側の負荷”

 ・不安・特性・過去の経験などの“内側の要因”

が重なり合って起こることでもあります。

 

ここまで見てきたように、様子で見れば「行動ができない」ということの背景にもさまざまな可能性があります

心と体、どの水準で負荷がかかり、どのプロセスにハードルがあるのかを見立てられることは、より効果的な対処や介入をしていくことにも繋がります。

 

それでは次の記事で、「神経基盤」の特性が背景にある、行動(実行機能)のハードルについても考えていきましょう。

 

年の瀬、どうか皆さま穏やかにお過ごし下さい


 

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【スタッフのつぶやき vol.42】「動けない」のは、性格? それとも意志や心の問題?③ー心の「内側」の理由と、大人にできることー

 

この「心の理解」についてのテーマ記事では、

「こんな時、この子をどうしたら良いか」のその前に、

こんな時、この子の中では何が起こっているのか」という、

人間理解の基本的な知識に基づいた内容を発信しています。

 

「こうすれば...」というハウツー知識はもちろん役に立ちます。

しかし、その方法がその子に合っているかどうかは、その子の中で何が起こっているかによって違うはず。

 

心についての基本的な知識を持っていることが、たった一人の「その子」と関わりを築いていく、ふとしたヒントになるかもしれません。

 

 

前回までの記事▶︎

michibiki.hatenablog.jp

 

こんにちは!Michibikiゼミの渡辺です。

年末内にこのテーマ記事をお届けするため、2記事連続での更新です❄️

 

前回までの記事では、学習を始めるために必要な環境の、その土台としての「心の準備」について考えましたね。

ここからは、特に学習を進める時や、日々の関わりの中で大人ができることに焦点を当てて考えていきましょう。

 

大人にできること

お子さんに促し、一緒に取り組むことで「心の準備」ができたら、大人が状況を設定することでできるサポートについても一つずつ考えてみましょう。

全部の道を、お子さんを抱えて大人が進むのではなく、歩きやすい道を見つけながら、歩きにくい道では手を繋いで渡っていくようなイメージかもしれません。

もしこの内容を読みながら、「こういう方法もありそう」ということがあれば、ぜひ皆さんもコメントでお寄せください。

 

 

 

失敗しづらい、“安全に始められる”ことから、小さな成功体験を積み重ねる

何かをすることのハードルを下げることで、「安全な気持ち」で取り組むことをサポートできます。

こうしたことを、「スモールステップ」と言ったりしますね。

「宿題をする」「作文を書く」など、ある一連の行為をまとめたラベルが、大きなハードルに感じられることがあります。

そうすると、頭の中で行動を調整・指示しする「実行機能」が働くより前に、心が疲れてしまいます。

不安や緊張が強いと、不安や緊張がなければ「感じないはず」の疲れを感じやすくなるということですね。

 

そうした場合に、

・ノートを開く

・今日の課題を確認する

・テキストを1行読む

・終わらせることではなく5分間取り組む

・最初の一問だけ解く

・下書きや箇条書きから始める。

 

など、スモールステップに「行動を始める前に目的を1つだけに絞る」ということも、行動のハードルを下げる有効な方法です。

 

これは、小さなことで「大丈夫」という安心感に心をスイッチするためのプロセスになります。

また、いろいろなことを一度にしようとすると、混乱しやすく、「できた」という達成感が得られにくいです。

自分が「何をするのか」をシンプルにすることは、心のハードルを下げる良い方法だと言えます。

 

「評価」よりも、「行動のプロセス」や「行動した」ことを重視して言葉にして伝える

また、「過程」や「取り組んだこと」そのものに対して「大人が言及する内容」が一貫しているということも大切なことです。

「この時は褒められた」「この時は褒められなかった」ということも、自信をなくし、緊張していて、周囲の反応に対して敏感になっているお子さんの場合では心に残る記憶になっていきます。

それが良いか悪いかという「価値判断」を抜きに、「その子が向き合ったこと」、「取り組んだという行動自体」を認めていくことが、その子自身の、自分の「行動」への安心感を強めていくことにも繋がります。

 

“安全の足場づくり”評価のない空間をつくること

「失敗しても大丈夫」という外側の環境(安全基地)があることは、成長過程にある全てのお子さんにとって重要なことです。

 

「失敗=危険な状況を招く」ということを覚えていたら、心と体を守ることが優先されます。

「警戒」状態では、「考える」「取り組む」「集中する」といったことは困難です。そうした状況が続くことで、大人でも「適応障害」などの心の不調に繋がることもありますね。

 

また、その時に感じていることや状態を大人や教師に受け止められ、自分自身でも認めることができ、「ありのままでいられる」ということも、安心して学習に取り組むためには大切なことです。

 

このように、お子さんを受け止め、心から安心できる環境を作ることは、様々な課題をクリアしていく上でも、とても大切なことです。

 

どうでしょうか。日々のお子さんとの関わりの中で、「完璧な大人」であることは、もちろん大人にとっても難しいことです。

しかし、ふとした時に、その子にとって「今、必要なこと」に目を向けて、関わり方を変えることで、状況がよくなるということもあります。

 

生物の機能としての「優先順位」から考えてみる

この、「心の内側から引き起こされる不安や恐怖」が強い状態があると、何かを行うことよりも、「危険をコントロール」し、その状況を回避することが優先されます。

なぜならそれは、生き延びるために必要なことだからです。

 

後にも残ってしまうような不安や恐怖・緊張などは、失敗や挫折をした時やあるいは誰かに何かを言われたりされたりした時、それがどのような状況で起こったか、出来事の点ではなく、その前後のプロセスごと録されます。

かつ、「恐怖」や「不安」などの不快な体験は、「断片的」な記憶として残っていくものでもあります。

ですから、そのことを思い起こさせたり、また繰り返される状況を避けるために、「その時」と状況が違ったとしても、心はその心自身を守るために働きます。

 

また、不安を調整するセロトニンノルアドレナリン、覚醒・緊張状態になりやすくなるドーパミンなどの神経伝達物質の分泌の量にも個人差があると言われています。

 

そうした場合にも、不安を感じやすくなったり、緊張した状態が継続しやすくなり、心身が疲弊した状態になりやすいです。

その場合には、また別のアプローチが必要になります。

 

心の中で、行動ができない然るべき理由があってもそれはなかなか目に見えません。脳の中で神経伝達物質がどのような状態であるかももちろん目に見えません。

けれど、知識を身につけることによって目に見える様子から、目に見えない部分を予測することはできるようになります。

そうすると、お子さんの状態が「どのように見えるか」という大人の見る目も変わってきます。

 

「努力ができない」「力がない」「甘えている」と見なしていく方が、評価する側の負担(コスト)は実は少ないのです。

しかしそれは科学や心理学の説明で考えていくと、あまり合理的ではないことだとも言えます。

ですが、福祉や教育の現場では、目に見えない「心について」まで考慮する余裕がなく、そうした小さなコストで済む、表面的な情報から下される評価に子どもが晒されることがあるということも、残念ながら、実際に起きやすいことなのかもしれません。

 

子どもの発達のことを理解するために必要な、「大人の」心の発達

目に見える行動だけではなく、心や身体の「内側で起こっていること」について考えるには、まさにこれまでに見てきた「心の理論」を大人側も働かせていくことが必要なのかもしれません。

 

お子さんの「心の内側で起こっていること」について考えていくには、知識と共感、大人の心の知性のようなものも大いに役に立ちます。

 

「大人だからこそ、できること」で子どもたちを助け、サポートしていけたらもちろん良いのですが、日々の生活の中で、大人の方もそうした余裕を持っていくことが難しくなってきた現代でもあるかもしれません。

 

保護者の方や、教職の方、支援をされる方も、まず自分自身の心と体に手を当てて、自分の内側のことに「気が付く」時間を、ぜひ作ってみてください。

 

ここまで、「不安や恐怖、緊張」が動き出すことにストップをかけてしまっていると考えられる様子や可能性、その時にできることについて考えてきました。

 

次回の記事から、「何かをすることができない」時に起こっているその他の「見えない心の可能性」について、さらに続きをみていきましょう。

次回記事は明日の更新です。⭐️

 

クリスマスを過ごし、いよいよ年末に向かっていきますね。

一年の頑張りを認め合い、今の心と体にぜひ耳を傾けてあげてみてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました⛄️


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